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自社オンライン会議システムを開発しました ― 録画・議事録をローカル AI で自動化

2026.08.28

株式会社DYNAMO(Dynamo Tech Solutions Co., Ltd.)は、自社利用のオンライン会議システムを開発し、社内での運用を開始しました。リアルタイム配信基盤に LiveKit、アクセス制御に Cloudflare Zero Trust を採用することで、映像配信と認証という開発コストの大きい領域を自前実装せずに構築しています。さらに、会議の録画・文字起こし・議事録生成を WhisperX とローカル AI モデルで自動化し、会議の音声を外部の文字起こしサービスに預けずに扱える構成としています。

オンライン会議システムの構成。認証は Cloudflare Zero Trust に、リアルタイム配信は LiveKit に委ね、文字起こしと議事録生成は社内のローカル環境で完結させています。

開発の背景

オンライン会議そのものは、すでに成熟したサービスが数多く存在します。それでも自社で開発した理由は2つあります。ひとつは、会議の録画データと文字起こし結果を自社の管理下に置きたかったこと。もうひとつは、AI を組み込んだプロダクトを「日常業務で毎日使う」状態にすることが、私たちが提供する AI 開発・運用のノウハウをもっとも確実に鍛える方法だと考えたためです。

一方で、社内ツールに長い開発期間をかけるわけにはいきません。そこで今回は「作らなくてよいものは作らない」を設計方針とし、成熟したマネージドサービスとオープンソースを組み合わせ、自社で作るべき部分だけに開発工数を集中させました。

システムの特長

1. Google 認証によるドメイン限定アクセス ― 認証機能を「作らない」設計

アプリケーションの手前に Cloudflare Zero Trust の Access を配置し、Google アカウントでの認証と、許可したドメインのユーザーのみが通過できるポリシーを適用しています。認証を通過したユーザーの情報はリクエストヘッダーとしてアプリケーションに渡るため、ログイン画面・セッション管理・パスワードの保管といった認証機能をアプリケーション側に実装する必要がありません。

認証まわりは、実装・維持のコストが高いうえに、設定や実装の不備がそのままセキュリティ事故につながる領域です。ここを実績のあるマネージドサービスに委ねたことで、開発期間の短縮と、守るべき範囲の縮小を同時に実現しました。管理機能については、この Access に加えて許可メールアドレスによる制限を重ねる二重のガードとしています。

2. LiveKit によるリアルタイム映像・音声配信

複数拠点をつなぐリアルタイム配信は、WebRTC を自前で組み上げると難易度・工数ともに大きくなる領域です。本システムではオープンソースの LiveKit をセルフホストで採用し、映像・音声の配信、画面共有、参加者管理といった中核部分を短期間で実装しました。

会議に入る前の待機画面(カメラ映像とマイク・デバイスの事前確認)、共有画面を大きく表示するフォーカス表示、参加者一覧といった機能は、実際に社内で会議に使いながら、必要になった順に追加・改善を重ねています。

会議中の画面。共有された画面をフォーカス表示しています。
3. 録画・文字起こし・議事録生成をローカル AI で自動化

会議の録画は、そのままオブジェクトストレージ(Cloudflare R2)へ保存されます。会議の終了を検知すると自動的に後処理が動き出し、録音データを WhisperX で文字起こしし、ローカルで動作する LLM が議事録(要点・決定事項・TODO)を生成します。

文字起こしと要約の処理を外部の AI API に送らず、ローカル環境で完結させている点がこの構成の要です。機密性の高い会議の内容を社外に出さないまま、議事録作成の手間だけを自動化できます。

技術構成

領域 採用技術
リアルタイム配信 LiveKit(セルフホスト)
アプリケーション Next.js(App Router)
ホスティング Cloudflare Pages / Workers
アクセス制御 Cloudflare Zero Trust Access(Google 認証・ドメイン限定)
録画・保存 LiveKit Egress → Cloudflare R2
文字起こし WhisperX(ローカル実行)
議事録生成 ローカル LLM

この取り組みについて

本システムは自社の業務のために開発したものですが、そこで用いた設計の考え方 ― アクセス制御をマネージドな認証基盤に委ねる、オープンソースの基盤を活用して中核機能の実装コストを圧縮する、機密データはローカル AI で処理して外に出さない ― は、いずれもお客様のシステム開発・運用にそのまま応用できるものです。

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