社外秘データも扱える完全ローカル環境のAI議事録生成ツールを構築した話
2026.07.13
こんにちは、開発チームのエンジニアの田渕です。
昨今、オンライン会議の頻度が増す一方で、その内容を書き留め、議事録として共有したり、アクションリストを作成したりする作業負荷が非常に高くなっています。
AIを活用した支援サービスも存在しますが、「重要な社外秘データを外部サーバーに流すのは不安」というセキュリティ上の懸念から、導入を躊躇しているケースも多いのではないでしょうか。
そこで今回、録音から文字起こし、要約、アクションリスト作成までを「自社のローカルマシン内だけで完結させる」仕組みを構築しました。
システム構成の概要
今回の仕組みは、プライバシーとセキュリティを最優先し、機密性の高い「解析プロセス」をインターネットから隔離した「完全ローカル」な構成にこだわりました。

アプリのWeb UI外観です
システム構成図

システムの構成図です。外部サーバーは不要、ローカル環境で完結します
1. Node.jsによるクロスプラットフォーム録音アプリ
まず、Node.jsで録音アプリを開発しました。Windows, macOS, Linuxのいずれでも動作し、通話を妨げることなくバックグラウンドで録音を実行します。
録音の開始は、Google Meet等の画面にボタンを追加する自作ブラウザ拡張機能からHTTPリクエスト経由で制御しています。
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Google Meetの例です。自作の拡張機能で録音ボタンが追加されています
2. Whisper CLIによる高速文字起こし
録音が終了すると、即座にローカルマシン内で Whisper CLI を使った文字起こし処理が走ります。現代のPCリソースであれば、実用上全く問題ない速度で完了します。
3. ローカルLLM(Gemmaなど)による解析
文字起こしデータは、最後にローカルで動作するAIモデル(現在は Gemma を活用)に渡され、要約とアクションリストが生成されます。
運用とセキュリティへの配慮
生成された議事録(成果物)は、最終的にGoogle Driveへアップロードされ、Discordで通知されます。

議事録通知メッセージのサンプルです。議事録のMarkdownを直接添付することもできます
Google Drive利用についての考え方
「外部サーバーへの送信」という点ではGoogle Driveも該当しますが、弊社では法人用Google Workspaceのポリシーに基づき、これを安全な社内共有ストレージとして定義しています。
本システムの肝は、「生の音声データや未精査のテキスト」を、学習に利用される可能性のある外部AIサービスに流さないことにあります。解析をローカルで完結させることで、利便性と機密保持を両立させています。
重要なポイント:録音の合意について
運用面で最も重視しているのが「関係者への事前了承」です。録音を開始する際は、必ず参加者全員にその旨を伝え、同意を得ることを社内ルールとして徹底しています。
まとめ
「AIは便利だがデータ流出が怖い」という課題に対し、ローカルLLMやWhisperを活用した内製ツールは非常に強力な解決策となります。今後もセキュリティと効率化を両立する技術的アプローチを模索していきます。

田渕
プロジェクトリーダー / WebエンジニアSE・PG
私は、複数のプロジェクトを管理しながら、開発にも主体的に関わるハンズオン型のプロジェクトリーダー兼開発者です。 日々学び、改善を重ねながら、「あったら便利」「もっと良くできる」というアイデアを実際のプロダクトとして形にしていくことを大切にしています。仕事に情熱を持ち、趣味のように楽しみながら、技術とアイデアを価値ある形へとつなげていくことが、私の仕事の在り方です。

